株式会社ブレインズ・コミュニケーション

2025-09-09 採用活動のポイント

社員が辞めない職場をつくるために　―Part②―: 今回のコラムでは、採用した社員がすぐに辞めてしまうことがないように、“採用のタイミングで行うべき具体的な取り組み”についてをご紹介します。; 中途採用者が入社した当初に感じたこと、困ったことは？
厚生労働省が、今年の3月に発表した「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集」において、中途採用で入社した正社員に対する調査結果によると、中途採用者が入社した当初に難しさを感じたこと・困ったことは、「これまでの勤め先との仕事の進め方の違い」（46.1%）、「仕事の内容」（33.9%）、「会社や職場の文化・風土」（28.9%）、「周囲との人間関係」（25.3%）などの回答が上位を占めました。; いずれの項目も、入社前には分からないことも多く、実際に働き始めて気づくことなのかもしれません。
「こんなにルールに厳しい会社とは思わなかった…」「自分と考え方や相性が合わない人が多くてちょっと辛い…」とならないように、採用前後の取り組みが企業にとって大変重要になります。; 出典：「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集」（厚生労働省）
（https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489091.pdf）を加工して作成; 面接時に将来の労働条件・キャリアパスを提示し、ミスマッチ防止
「キャリアパス」とは、従業員が経験を積み、スキルを磨きながら、将来の目標を達成するための具体的な道筋のことをいいます。
このコラムを読んでくださっている人事採用担当のみなさまは、面接時に応募者との対話の中で、入社時の仕事内容や処遇だけでなく、将来得られるスキルや経験、5年後や10年後のキャリアポジションやそのときの処遇などの実例を紹介していますか？; 企業が人材獲得にむけて採用活動を行うとき、求人メディアに掲載したり、人材紹介会社に求人票を開示しますが、多くの企業は、入社直後の労働条件や仕事内容（右のグラフの上から6つの項目）についてしか、開示できていないのが現状ではないでしょうか。; 配属される部署や業務内容、給与や勤務時間などの雇用条件や福利厚生、また中途転職者のキャリア採用であれば、入社直後に求められる経験や前職で磨かれたスキルなどについては、およそ9割の企業が開示できていることです。
しかしながら、将来的な報酬や労働条件、あるいは、どんなスキルや経験が得られるかといったキャリアパスの見通しなど（上記グラフの下から3つの項目）は、７～８割前後の開示率にとどまっているのが現状です。; 出典：「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集」（厚生労働省）
（https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489091.pdf）を加工して作成; 将来のキャリアパス開示が新戦力のハイパフォーマンスを生み出す
実は、「将来得られるスキルや経験」「将来の業務内容やキャリアパスの見通し」「将来的な賃金」といった、将来の労働条件やキャリアに関する情報を入社前に開示されていた転職者は、開示がなかった転職者と比べて、入社後の「エンゲージメント」「仕事の満足度」「自社での勤続意欲」といった指標において、より高いパフォーマンスを示していることが分かりました。; 出典：「人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集」（厚生労働省）
（https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489091.pdf）を加工して作成; 仕事に対する“やる気”は、どこから生まれるのでしょうか？; 筆者は、“期待と要望をしっかりと伝えること”だと考えます。
新戦力であるキャリア転職者に対しては、新しい風を吹き込んでほしいという“期待”と、専門性や持ち味を活かし将来に渡って成果を上げ続けてほしいという業務や役割に対する“要望”をしっかりと伝えることが大切です。
そうすることで、仕事に対するモチベーションを維持しながら、より高いパフォーマンスを発揮し続けてくれるのではないでしょうか。
短期的な成果にとどまらず、会社のコア人材となって活躍してほしいという思いを、面接のときに、しっかり伝えきることが大切だと考えます。; 採用時の“動機づけ”と、組織全体での“オンボーディング”
オンボーディング（Onboarding）とは、新しく入社した社員が職場や業務にスムーズに適応し、早期に活躍できるように支援する一連の取り組みのことをいいます。
語源は「on board（乗り込む）」から来ており、企業という“船”に新たな仲間を迎え入れるプロセスを意味します。; 中途社員は即戦力として期待される一方で、カルチャーや人間関係への適応に苦労しやすい傾向があります。
だからこそ、“この会社で働き続けたい”と思える体験をどう設計するかが重要で、入社〜半年のフォロー体制整備や、メンター制度の導入、定期１on1面談など、入社時の不安や困りごとを早期に解消し、自社の戦力として一日も早く活躍してもらえるように、人事と配属組織が一体となって取り組むことが必要です。; 次回のコラムでは、“オンボーディング”についての具体的な取り組み事例や、“風通しのよい職場づくり”について解説していきたいと思います。

Tags：	社員の定着｜採用活動

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執筆者WRITER
- 森薫日本シニアライフ株式会社
  代表取締役社長
- 広報株式会社ブレインズ・
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- 酒井一謹株式会社サンライズ
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- オカモトブレインズ
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  代表取締役