株式会社ブレインズ・コミュニケーション

2025-08-08 採用活動のポイント

社員が辞めない職場をつくるために　―Part①―: なぜ採用から半年も経たずに転職者は辞めてしまうのか？
人材不足が叫ばれる中、数少ない応募者の中からなんとか採用した新戦力となる中途社員が「自社の風土や職場環境に合わず、まだ半年も経っていないのに辞めてしまった…」そんな声を最近よく耳にします。; 中途転職者に対して、厚生労働省が行った調査（令和7年3月、人材の確保・定着に成功した企業の取組事例集より）では、「今の勤め先に入社した当初に難しさを感じたことや困ったこと（複数回答）」という問いに対して、「これまでの勤め先と仕事の進め方の違い（46.1％）」「仕事の内容（33.9％）」「新しい会社や職場の文化や風土（28.9％）」「周囲との人間関係（25.3％）」に戸惑いを感じたとの回答が多くありました。; 出典：厚生労働省ホームページ
（https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001489091.pdf）; 転職者は、さらなるスキルアップや経験値を上げるために、日々の仕事の合間を縫って転職活動を行い、新天地で頑張りたい気持ちで入社を決めたはずなのに、どこかに苦しさを覚え、誰かに相談することもできず、「やっぱり、ここじゃない」と去っていくのです。; 新戦力を受け入れる“オンボーディング”を強化する
「20代や30代の若い人を採用したい」そんな採用戦略を描いていらっしゃる企業様も多いことでしょう。
それには、新入社員が職場や業務にスムーズに適応し、早期に活躍できるように支援する一連の取り組み、いわゆる“オンボーディング”を整えることが大変重要です。; 転職者を受け入れる企業としてもっとできることはなかったのか、今一度振り返ってみる必要があります。
●採用面接時に雇用条件だけでなく、配属される部署の雰囲気や自社ならではの行動指針やルールなど伝えていたか。
●将来得られるスキルや経験をモデルケースとして提示していたか。
●カジュアル面談などで配属先の先輩や上司となる人と直接対話する機会があったか。
●入社後の受け入れ態勢は万全だったか。; 若手の新戦力を受け入れる態勢を整え、業務内容だけでなく自社の風土や行動指針を伝えていくこと、1on1ミーティングやフォロー研修をしっかりと準備していくことで、会社のビジョンや文化への共感を育み、不安や孤立感を減らしていくことで、定着率を高めることに繋がっていくのです。; そこで今回は「従業員の定着」をテーマに企業が取り組むべきヒントをご紹介します。; 変化の時代にどんなキャリアパスを描くか
VUCAの時代と呼ばれる現代にあって、将来予測が困難な現代社会において、終身雇用や年功序列も崩壊し、働き方そのものが大きく変化しています。
「大企業＝安定」の神話は崩壊し、個人がキャリアを主体的に築く時代となっていくなかで、企業・組織の在り方もメンバーシップ型からジョブ型へと変化し、“個人の役割と成果”が明確な働き方へシフトしています。; 「人生100年時代」が到来し、キャリア形成において多様な経験が価値に繋がることから、“変化に対応できる個人力を磨く”ための「リスキリング（新技能の習得）と学び直し（既存知識の刷新）」は、キャリアパスを描くうえで大きな鍵となるでしょう。; この会社で働き続けたいと思える体験をどう設計するか
そんな個人の働き方に対するシフトチェンジを踏まえ、転職者を受け入れる企業は「従業員の定着」に対する取り組みとして、単なる「離職防止」ではなく、“この会社で働き続けたいと思える体験をどう設計するか“が重要な鍵と言えるでしょう。; 特に中途社員は即戦力として期待される一方で、企業文化や人間関係への適応に苦労しやすい傾向があります。
過去にインプットされた他社の風土・ルールをリセットしてもらい、即戦力としての活躍を期待していく中で、どんな取り組みを実行して行けば高いパフォーマンスを発揮してくれるか、戦略的に作戦を検討し取り組んでいかなければなりません。; 従業員定着のための「7つの取り組み」
30年間にわたり人事・採用領域で企業を見つめてきた筆者が、今おすすめしたい「従業員の定着」のための7つの取り組みをご紹介します。; ①採用時のミスマッチを防ぐキャリアパスの提示と相互理解
　採用直後の労働条件だけでなく、将来の労働条件・キャリアパスを開示する
②オンボーディングの強化
　入社〜半年のフォロー体制整備、メンター制度や定期面談で不安を早期解消
③個人のキャリア成長を支援する機会を提供
　スキルアップ支援（研修・資格補助）、キャリア面談で将来イメージを共有
④公平で納得感のある評価制度の導入
　評価基準の見える化・言語化、上司の主観に頼らない多面評価やフィードバック
⑤働き方の柔軟性を高める人事制度改革
　フレックス・リモート・副業などの選択肢、ライフステージに応じた働き方の設計
⑥メンタルケアと福利厚生の充実
　リフレッシュ休暇や健康支援制度、ストレスチェックや外部カウンセリングの導入
⑦風通しのよい職場をつくる
　1on1や雑談の場で「相談できる」「話を聞いてもらえる」信頼関係性づくり; 次回のコラムでは、今回挙げた各項目について、具体的にどのような取り組みが有効なのかを詳しく掘り下げていきます。
従業員の定着のために採用時にできること、将来の労働条件やキャリアパスの提示はどうして有効なのか、などを解説していく予定です。; ぜひ次回の掲載をお楽しみにお待ちください。

Tags：	社員の定着｜採用活動

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執筆者WRITER
- 森薫日本シニアライフ株式会社
  代表取締役社長
- 広報株式会社ブレインズ・
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- 酒井一謹株式会社サンライズ
  代表取締役社長
- オカモトブレインズ
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- 夏苅雅貴株式会社ルーティングフォー
  代表取締役